Q1.会社を設立すると節税になりますか?
A.必ず節税になるとは限りませんが、一般的には節税になります。
例えばこれから開業する予定の場合、1年間に500万円の利益が出ると予想します。個人事業の場合、税金(所得税・住民税・事業税)は約88万円かかります。
一方会社を設立し、その500万円を事業主(社長であるあなた)に給与として支払った場合、会社の税金(法人住民税のみ)7万円と社長がもらった給与の税金
(所得税・住民税)53万円の合計60万円になります。結果として会社を設立した方が約28万円の税金が少なくなります。
Q2.赤字を繰り越せると、何が得するのですか?
A.赤字の繰越すと翌年以降の利益が赤字と相殺されるので、税金が少なくてすみます。個人の青色申告の場合は3年、法人は10年繰越せます。
赤字の繰越しとは、例えば開業1年目が300万円の赤字、2年目が100万円の黒字だった場合、2年目の税金は100万円に対して課税されるのではなく、100万円から
1年目の赤字300万円を控除した残額に対して税金がかかります。この例でいうと100万円△300万円=△200万円となるので法人住民税の7万円以外は税金がかかりませ
ん。また控除しきれなかった赤字200万円は3年目以降の利益から控除されます。
Q3.2年間、消費税が免除されるといいますが、どういうことですか?
A.個人も会社も開業から2年間(2期)は原則として消費税を納める必要がありません。
消費税の納税義務があるかどうかの判定は2年前(2期前)の売上(課税の対象となる売上)が1,000万円を超えるかどうかによります。そもそも、開業したばか
りの場合は当然2年前の売上はありませんので、消費税を納める義務がないのです。そうすると個人事業で2年営業した後に会社設立(法人成りといいます)をすると
最大4年間は無条件で消費税を納める必要がありません。例外として自ら消費税の納税義務者を選択する場合や、会社設立時の資本金が1,000万円以上であれば開業・
設立の1年目から納税義務が発生します。
Q4.生命保険を経費にできるって本当ですか?
A.会社契約の生命保険については経費にできるものもあります。
個人の時は生命保険料控除で最大12万円が個人所得から控除することができましたが、
法人で契約すれば、それとは別に、「保険料」を経費にできるケースがあります。
Q5.退職金を経費にできるって本当ですか?
A.個人では退職金は経費になりませんが、会社では経費になり節税できます。
また、退職金をもらうときは退職所得になるため、退職所得控除という退職金収入から差し引ける有利な控除があります。
Q6.会社にすると社会的信用が増すといいますが、何が得するのですか?
A.会社組織にすると今まで取引してくれなかった会社が取引してくれる場合があります。
個人と会社の決定的な違いは「登記」されているかどうかです。登記とは会社を設立するときに義務付けられているもので、その会社の名称や所在地、事業目的、
社長や他の役員の名前などを法務局に届けなければなりませんが、誰もがその会社のこれらの情報を知ることができます。登記しないと会社は設立できません。今で
はインターネットでも閲覧(有料)することができます。新たな取引先と取引する時には、特にある程度大きな会社になると、この登記情報を確認してから取引しま
す。
Q7.銀行から借入れしやすくなりますか?
A.個人よりは会社の方が銀行借入がしやすいと思います。
組織形態よりも中身だという意見もありますが、やはり形式的な要件(貸借対照表を備えている、会社のほぼ100%が税理士が税務申告書を作成しているので信用
力が高い、など))や、そもそも会社形態でしか借りられないもの(ビジネスローンなど)も考慮すると、会社の方が有利であるといえます。
|